自己陶酔

病んだり、怒ったり
疲れたり、愛しかったりした時に適当に書いていきます。

壁に続く式の先

女の、甘い匂いがする

部屋を湿らせるような甘やかな香はやがて腐り膿むのだろう


部屋に散らばる白い紙も

私を宥める安定剤のように安らかなる眠りへ


首を絞めたロマンチストは

何処に雲隠れする気で私を

ここへ誘ってきたのか


未だわかっていない式の謎を

壁に向かって解いていく

不乱に眺めチカチカする光の方程


風がさらりと凪いだら

歩いてみせようと思ったのだ

取捨選択なんて面倒だから

全て棄てようと笑った


この香は私の性を知らしめるから

やめてしまおうね、こんなもの

消してしまおうね、そう言って


見つめると、キラキラと

香りとまざり目が霞む、壁沿いに

腐り落ちた私の欠片


ああ、今日も解けなかった

きっと明日も、そのつぎも

なにもわからないのなら、いっそ

ねえ


雨に濡れた下着と、欲にまみれたその瞳孔を

抉って取り出してしまおうね


唇が赤く湿って

ほらまた、輝く方程式

綺麗でしょ。