自己陶酔

病んだり、怒ったり
疲れたり、愛しかったりした時に適当に書いていきます。

もし、のはなし

もしも私の記憶をあなたに植え付けることが出来て

あなたの記憶も私の中に根をはれたなら

あなたは私となって私はあなた

理解が進み、あなたはどういう表情するんだろう


お互いの価値観を分け合って

お互いの感情をまぜてみよう


私の最低さがあなたに伝わる

話したくないこともすべて伝わる

あなたの過去も私の記憶になって

あなたが愛していたものを知ることになる


でもあなたが私になるのなら

受け入れてしまうのかしら

私があなたになるのだから

私も愛したことになるのかしら


お互いの狡さ共有し合って


私の愛しているあなたは賢くて正しい

正直なようで天邪鬼でもあり

臆病、自己中心的、弱さを認められない強がり


あなたから見えている私はまだ不透明だって

そう言っていたかしら


私とあなたの境界線を

消してしまったならあなたは知ることが出来たと安心する?


溶け合っても

胸が苦しいだけかもよ

私になったあなたはもはやあなたではなくなるのかもしれない


自己愛にまみれた私ならそれでも愛を深く深く流し続けられるけれど、あなたは自分が好きではないと言っていたから今よりも更に、私をわからないものとして遠ざけてしまうだろう


ねえ、うそつきさん


私はあなたになりたいよ

でもあなたは

私にならない方がいいよ


幸せにしたい

やっぱりそうかな、私は私を

捨てるべきなんだろうな

壁に続く式の先

女の、甘い匂いがする

部屋を湿らせるような甘やかな香はやがて腐り膿むのだろう


部屋に散らばる白い紙も

私を宥める安定剤のように安らかなる眠りへ


首を絞めたロマンチストは

何処に雲隠れする気で私を

ここへ誘ってきたのか


未だわかっていない式の謎を

壁に向かって解いていく

不乱に眺めチカチカする光の方程


風がさらりと凪いだら

歩いてみせようと思ったのだ

取捨選択なんて面倒だから

全て棄てようと笑った


この香は私の性を知らしめるから

やめてしまおうね、こんなもの

消してしまおうね、そう言って


見つめると、キラキラと

香りとまざり目が霞む、壁沿いに

腐り落ちた私の欠片


ああ、今日も解けなかった

きっと明日も、そのつぎも

なにもわからないのなら、いっそ

ねえ


雨に濡れた下着と、欲にまみれたその瞳孔を

抉って取り出してしまおうね


唇が赤く湿って

ほらまた、輝く方程式

綺麗でしょ。


喚く

分かったふりをして、聞き分けの良い言葉並べて

そんなことないのに目をそらして

待つわ、なんて嘘も大概にして


待て、なんて出来ないし

するつもりもない癖に

理想の誰かを思い浮かべて悦る

それに成った気になったら

いち、に、さんで飛び降り準備オッケー真下にあなた


くらくらする

ふわふわして

じくじくある

ぐるぐる廻る


巡って巡って落とし穴

追いかけちゃう私は能無し


寂しさに絆されて優しさ地獄に堕ちてくわ

少しのことで傾いて見えなくなるあなた

「そんなところにはなにもなかったよ?」


過去も未来も一緒くたに棄ててしまって

廃棄処分、どこに届け出したら良いカナ

愛も夢もどっかで燃やそ

恋も嘘、現実も戸惑いそんな味のない色


ゆっくりゆっくり沈んだら

次は海、漂って探す何かを

「なんだったかな?」忘れちゃって


待て、なんて数秒単位で難しい

此処はドロドロの沼みたい

踏み出してハマる墜ちる口に鼻になだれ込む灰色の煙


「五月蝿い言葉は閉じてしまおうね」

「喚く穴は塞いでしまおうね」


段々手も足も身動きとれなくなっちゃって

首には真綿、真下にあなた


“苦しい辛い寂しい不安でぐちゃぐちゃだこの重さをどうかあなたの頭上に落としてしまえたなら巻き添えきっとやっとひとつに”


くらくらする

暗い暗い

ふわふわして

不安不安で

じくじくある

ぐるぐる廻る

そんな夜は続き


優しさ尽くしいい子な私、そんなもの

愛の足しにもなりゃしない

嘘に酔い、隠した心音


届かないのならせめてあなたに落とす

いち、に、さんで飛び降り準備オッケー真下にあなた

身動きの取れない私、喰い尽くして


さあ。